日本の未婚率は年々上昇している
2019年12月27日少子高齢化が深刻化しつつある日本ですが、直接関係している要素の一つに未婚率の高さがあります。
日本における未婚率は世代別に見ると、20代男性では1985年当時は約60%だったのが72%へ、30歳代では同じく28%から47%へと明らかに上昇しています。女性の方はさらに傾向は顕著で、20代が1985年には30%だったのが2015年には倍の61%以上の未婚率となっています。
結婚適齢期の若者のなかにあって結婚しないで独身を選択することが、必ずしも特異なことではないことを示しているようです。興味深いのは結婚しない若者が増えているなかにあって、一度結婚しても離婚するカップルも上昇傾向にあるということです。2018年の調査によると離婚率は38%に上るとされています。離婚率38%と言う数値は、一度結婚にゴールインしても3組に1組は離婚を選択するということです。
未婚率と離婚率が共に上昇しているのを、どのように認識すればいいのでしょうか。未婚率の上昇には女性の社会進出が関係しているとの見解があります。ファッションや美容などの従来から女性が主要な労働力と見られていた業種だけでなく、建設業や運送業などでも女性は貴重な担い手になりつつあるのは事実です。しかし共働きの世帯が増加している事実を前にすれば、女性の社会進出は大きな影響を与えていないと見ることも出来ます。
むしろ大きく関係しているのは、若者が結婚することにメリットを見出すことができず、離婚などのトラブル要因を抱えることや、子育てを巡る負担や葛藤など人生観が大きく変化していることのほうが大きな影響を与えていると見ることが出来そうです。家族を持つことで自由がなくなるとのマイナスイメージが広く認識されることで、独身のままでライフプランを組み立てる若者が大きく増加しているとも考えられます。ただ女性にあっては出産という大きなライフイベントを抱えています。独身であることと、子供を持つことは矛盾しないので婚姻することなく当初からシングルマザーの道を選択したり、子供を抱えていても離婚にためらいを持たない女性も増えています。
結婚にメリットがなくトラブルばかりが目立つ状況では、結婚することの必要性が薄いと認識されるのむしろ当然と言えます。従来型の家族を持つ意識が薄い以上、必ずしも法律婚にとらわれない施策の必要性が増しているといえます。形ばかりの結婚観を若者に押し付けるだけでは、人口減少社会の将来は暗澹たるものになるでしょう。